その日の夜、夢を見た。あいつはずっと私の後ろに付きまとっていた。家にいても、窓からじいっと私のことを見ていた。そして、目が合った瞬間、ふっとあの笑みを浮かべた。怖かった。父さんに言っても母さんに言っても信用してくれなくて、一人で悩んでいた。本当に怖かった。悲しかった。
夢の中で、その次の日も、また次の日もあいつは現れた。真っ暗な部屋の片隅で塞ぎ込んで、びくびくと震えながら、ただあいつが私の前から消えることだけを願っていた。
そんなときハルが現れて、私のことを守ってくれた。
―あんなヤツ指一本触れさせない―
彼女がそう言い終わると、私はベッドの上にいた。カーテンからはまぶしい朝の光が漏れていた。
…ハルに謝らなきゃ…
学校に着くと、私は勇気を振り絞ってハルに謝って、昨日のことを話した。彼女は何も言わず、ただ、じいっと私の目を見つめていた。その目は本当に真剣で、何かを見極めようとしていた。私が一通り話し終えても、やっぱり彼女は黙ったままだった。一部始終を見ていた周りの友達は心配そうに様子をうかがっていた。そして「昨日は本当にゴメン」と付け加えると、再びしばらくの沈黙の後、
「そんなヤツ、そらに指一本触れさせないから」
と、少し怒ったように、でも優しく言ってくれた。私は涙が止まらなかった。
その日の放課後、一日遅れの「おめでとう」を言うことができた。彼女も顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
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