ひとつひとつの形のないものたちが風にのって
一瞬であの町へ消えていった。
ひとつひとつの形のないものたちが
すっかりとなくなってしまったこの街。
ひとびとはあれらを取り戻そうと
必死になってかけずりまわる。
でも月日をおうにつれて
ひとびとから「意識」が抜けだし風にのって
いっせいにあの町へ消えていった。
すべてを失ったこの街。
冷たい風がようしゃなく彼らの皮膚につきささっても
冷たさを感じずに――。
形あるものだけを
キカイのようにギシギシといいながら
おいもとめるようになったひとびと。
――あざやかな風がふく町――
あの町はどこにいったのだろう。
ゆらゆらとゆらめいてその存在すらも確かではないけど。
あざやかな風がふく町
すべてがゆっくりと流れながら――
ひとびとが取り戻してくれることをじっとまっている。
形ないものたちがゆらゆらとゆらめいて――
あの街のすべての心の中に戻ることをただねがう。
――ふとした瞬間になつかしい風がふいたら、
たまにはふり返ってみようよ。
ひとときの間、あの町が帰ってくるから。
色とりどりの花を含ませたあざやかな風で君を迎えてくれるから。
>>「あざやかな風がふく町（原題）」 2001 02 01〜2001 04 28 lyric by
C-real
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